……っぽい。
病院へ駆けつけた香久山さんに私をいったん託し、部屋へ戻って着替えや仕事道具などを持って戻ってきた笠松は、香久山さんが見つけてくれたビジネスホテルに私を連れていくと、そこでようやく気を抜くことができたのか、ドア伝いにズルズルと座り込んでしまった。
慌てて傍にしゃがみ込むと、笠松はまるで子供のように「ごめんなさい、ごめんなさい……」とばかり言いながら泣いてしまって。
気丈に振る舞っていたけどすごく怖かったんだなとか、そんなに自分を責めないでよとか、私こそごめんねとか、なんだか私まで胸にこみ上げるものがあって2人で少し泣いてしまった。
「……いいんですよね?」
「うん」
そうして今、落ち着きを取り戻した私たちはベッドの上で身を寄せ合っているのだけれど、笠松はさっきから同じことしか聞かない。
そして、私も同じ返事しかしていない。
「……無神経な俺でもいいんですよね?」
「笠松は無神経なんかじゃないよ。アホな恋愛しかしてこなかった私の自業自得だし。それより、笠松こそ私なんかでいいの?」
「年下の本気ナメないでくださいって言ったじゃないですか、先輩がいいんですよ」
「そっか。うん、ありがとう」