……っぽい。
それで元カノさんと1年ちょっと同棲していたというのだから、笠松どんだけ鈍感なんだよ、元カノさんメンタルめっちゃ鋼じゃん……!と、私は色々な意味で感心したものだ。
つき合ってほしいと告白をしたのも元カノさんのほうからだったそうで、高2の夏から今年の1月までの長い期間を、それだけ元カノさんは笠松のことが大好きで大好きで仕方がなかったのだと、話を聞いてすごく感動して。
『よりにもよってなんで私なんかを好きになったんだ、笠松バカか!』
つい、笠松に怒ってしまった。
*
そんなわけで、笠松と私の間にも、もう障害になるようなものはないはずなのだけれど、なぜ笠松は真人にギャフンと言わせる作戦をこれほどまでに推しているのだろうか。
私が構わないなら、それでいいのでは?
ぶっちゃけ、そう思う。
「いえ、それとこれとは話が違います。ていうか先輩ハレンチ!女の子が簡単にえっちとか言わない。恥じらいなさい、もっと」
「えー、どう話が違うの? ていうか、もう30年近くも生きてるとさ、なんかもう色々剥がれ落ちるよね、恥じらいとか乙女心とか」
私も自分の分のほうじ茶を啜る。