……っぽい。
 
そんなこんなで、店の外にはまだ順番待ちをしているお客さんが大勢いるわけで、私たちはお会計を済ませると部屋へ帰ることにした。

食事代は笠松持ち。

彼女として、素直に甘えてみた。





部屋へ着けば、お風呂に入って、あとは香久山さんが新調してくれたベッドで寝るだけだ。

軽く一杯引っかけながら髪の毛をドライヤーで乾かし、ついでに、つい先日、不動産屋さんで貰った部屋のパンフレットを眺める。


あんなに良くしてくれた香久山さんにも折を見てきっちりお礼しなくちゃだし、ベッド代は笠松名義でお会計は済ませているけれど、私だって半分は出さなきゃだし、お互いに部屋を見つけなきゃいけないし……忙しくなりそう。

ただでさえ過密スケジュールなのに、その中で真人とどうケリをつけるのかも具体的に考えていかないといけないし、笠松とラブラブっとしているだけじゃ現実逃避である。

と。


「先輩、その格好、まるでオヤジ……」


お風呂から上がってきた笠松が、私の格好を見て何やら驚愕している声が頭の上から降ってきた。


「どれか1つから片付けていくつもりとか……いえ、すみません。いいんです、そんな先輩も俺には可愛く見えちゃってるんで」

「それ、オヤジが好きってこと?」

「違う!」
 
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