……っぽい。
やばい、しほりの乳見ちゃったよ。
旦那さんの誠治さんと拓人くんしか見たことのないものを私が……教えたほうがいいよね!?
どやされてしまう!
「しほり、乳がポロリ……」
「笠松君呼んでくる!拓ちゃん頼むわ!」
「え? え?」
けれど、血相を変えたしほりは、私のナイスアシストを華麗に受け流して拓人くんを半ば強引に押しつけると、左乳をしまうことなく託児所を駆け出して行ってしまう。
残された私は、途端にあんぎゃあ……!と泣き始めた拓人くんと、まさかのぽつーんなわけで、どうしたらいいのと白目になりかける。
昼休みはほぼ毎日しほりといるわけで、拓人くんはけして私に懐いてくれていないわけではないけれど、それはママであるしほりが常に一緒にいるからなのだ、保育士さんじゃないんだから、上手に拓人くんのことあやせない!
連れて行ってあげてよお願いっ!
でも、そんな心の叫びは、しほりにも、もちろん訳も分からず置いて行かれてしまった拓人くんにも察してもらえるわけがなく……。
「……お、おばちゃんのパイパイ吸うかね?」
泣き叫ぶ拓人くんを抱え、もぞもぞとマイ乳を出しながら、苦肉の策を講じる私なのである。