……っぽい。
しかし、私の羞恥心などというものが笠松に関係あるはずもなく、憮然とした顔をずいっと近づけられ、詰問されてしまった。
おおお怒っていらっしゃる……?
なんだか今、彼女としてとっても胸キュンな台詞を言われた気がしたのだけれど、顔が怖いので私の聞き間違いなんじゃと思ってしまう。
「ごめんね笠松。たぶん昨日、お腹出して寝ちゃったんじゃないかな。梅雨の時期って春に比べてわりと寒いし、ほら、笠松って暑がりじゃん? クーラーつけたまま寝ちゃったりも……」
そもそも笠松はなんでこんなに怒っているの? と疑問に思いながらも、それでも思い当たる原因を私なりに熟慮し述べてみる。
それとも数日前の氷プレイ!?
肌の色々なところにツツツー……と氷を這わせられると、冷たくて変な感覚なのだけれど。
……感じるのよね。
私ドM‼
「嘘だ。先輩のお腹はその都度俺がしまってます。クーラーだってタイマーで止まるようにしてるんで、一晩中クーラーの効いた部屋でお腹を出して寝るなんてことはあり得ません」
が、笠松は嘘だと言う。
そして、全くピンときておらず、うーんと唸る私に“仕方がないな”と言わんばかりのため息を一つ零すと、こう言うのだ。
「……千晶、のことでしょう?」