……っぽい。
 
冷静に報告してくれた笠松にハッとして我に返り、慌てて起き上がって状況確認をすると、私の腕には布団や枕がぎゅーっと抱きしめられていて、そんな自分にげんなりする。

やばい、さすがに浮かれすぎているぞ、ここ最近の私は!笠松に愛想を尽かされてしまう!


「や、あの……ごめん……」

「いいんですよ、そんな先輩も可愛いから。でも、知恵熱を出しちゃうくらい千晶のことを考えるのは、さすがに頂けませんね」

「……うん」


笠松の“可愛い”発言から愛想を尽かされることはないようなので、そこはホッとしたものの、確かに笠松には千晶さんのことで私が知恵熱を出してしまったことはイタいだろう。

私もそこまでクラゲ脳じゃないし、ちょっとは成長だってしているつもりだ。

千晶さんのことで不安になっているなら、抱え込んでいないでどうしてすぐに相談してくれないんだと、笠松は思っているに違いない。


「あ。今、ちゃんと俺の気持ち読めましたね。じゃあ、もう大丈夫です。昼休み、もう終わりますけど、もう少し休んでいきますか?」

「ううん、大丈夫。午後の受発注も見なくちゃいけないし、休んだら体調も良くなったから一緒に出る。笠松のうさぎさんポストイット、たくさん注文入ってるんだー」
 
< 153 / 349 >

この作品をシェア

pagetop