……っぽい。
 
「ド田舎に左遷させる作戦を……」とか言って悪い顔で何かを企んでいるみたいだったので、笠松にはあんまり悪役っぽいことをして欲しくはないのが、私の本音だったりもする。

私はぶっちゃけ、笠松がいてくれたらなんだっていい!お気楽クラゲはそう思います!

すると笠松は、顎に手をかけ、何やら思案したあと、私に向き直り、こう言う。


「それもそうですね。……じゃあやっぱり、アイツ以上に先輩を抱くしかないです。悔しいことに変わりはないですけど、俺の気が済むまで抱かせてもらえれば、水に流してやりましょう」

「張り合うとこ、そこ!?」

「ヒーローはエロいんです」

「……世の中のヒーローに謝りなさい」


まったく笠松は……。

昼間っからそういうことばっかり言ってると頭バカになるよ、しっかりしてよ、もう。

でも、笠松の身に何かあるよりは、そっちのほうがずっといいし、笠松がどうにかして真人とケリをつけさせようと知恵を絞ってくれたことが嬉しくもあり、想われる幸せを身をもって感じさせてくれる発言であることに変わりはない。

笠松がいつまで私にがっついてくれるのかは、笠松の気持ちと私の努力次第だけれど、もうしばらくは、なんとか大丈夫そうだ。
 
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