……っぽい。
「ほんで、笠松はいつ引っ越すの?」
真っ昼間から堂々とえっちな会話を繰り広げるわけにはいかないので、話題を変えてみる。
当初は家賃と光熱費の折半が目的で同居を始めたわけだけれど、笠松だって、そろそろ新しい部屋を見つけるために本腰を入れなければならない時期ではないのだろうか。
私のことを優先させてくれたことには感謝をしている、申し訳なくも思っているし、笠松の足を引っ張ってしまったことに土下座したいくらい罪悪感も後ろめたさも感じている。
けれど、部屋と真人のことと、2ついっぺんに問題がクリアになりつつあったここ最近においても、笠松がなかなか腰を上げなかったことが不思議なのだ……全部私のせいなのだけれども。
「うーん、考えてますよ、ちゃんと。先輩がヘトヘトになってベッドに沈んでいるときとか、仕事中とか、ご飯食べてるときとか」
「そう、なんだ……?」
「うん」
うーむ、歯切れが悪い……っぽい?
私が新しい部屋を見つけて引っ越していったらどうするつもりなのだろう、この際、シェアハウス的に同居人を募るつもりなんだろうか。
笠松の考えが、なかなか見えてこない。