……っぽい。
香久山さん、いいこと言う……!
この歳になってくると、服でも靴でも雑貨でも、どういうわけか“長く使えるいいもの”を自然と選ぶように志向が向いてくるので、今の香久山さんの明言には素直に頷いてしまう。
さすが香久山家守。
ヤモリって読み間違えてごめんなさい。
「普段のカグの頭ん中はエロいことでいっぱいですけど、家具に関しては俺も保証します。コイツに相談すれば間違いないと思いますよ」
すると笠松も香久山さんに太鼓判を押し、みんなに、間違いありませんよとふわっと笑う。
笠松のお墨付きを貰った香久山さんは、すぐに「エロいのは余計だべや!」と怒りはじめたけれど、その顔はなんだか楽しそうで、Mサイズを締め上げる3Lサイズくらいの巨体からは親友に褒められて嬉しい気持ちが溢れていた。
とにもかくにも、家具の件に関しても香久山さんという強い味方ができたわけで、私も早いところ新しい部屋を探さなくちゃと気合が入る。
笠松の部屋探しも、できるなら手伝ってあげたいけれど、どうなんだろう……。
カタログを眺めながらお茶を楽しみつつ、話も大いに盛り上がっている中、ふと気になり、笠松の様子をちらりと窺ってみる。