……っぽい。
「……次はちゃんといい恋してくださいよ」
つくづく、この言葉に尽きる。
笠松に言わせれば「励ますなんて甘っちょろいです!先輩お人よしすぎ!」だそうだけれど、真人はまあ置いといて、私みたいに真人のことを本気で信じていた彼女たちには、どうか素敵な恋のお相手が現れてくれますようにと願わずにはいられない心境だ。
そうだ、願うといえば……。
「七夕の短冊、しまわないと」
ミイラよろしく布団に巻かれているというのに、熱のせいなのか何なのか、ベランダに出したまま1週間ほど放置の刑を食らっている七夕飾りのその後が気になりはじめてきてしまった。
7月7日の七夕は、生憎空は雲に覆われ天の川を見ることはできなかったけれど、笠松と仕事帰りに小さな模造の七夕飾りを買い、いつもより少しだけお高いシャンパンで乾杯をした。
短冊に願い事を書くのも必須。
子供じみているだとか、いい歳をした大人2人がバカ丸出しで何をしているの……と呆れられようが、楽しかったから問題ない!
『笠松のゆるかわキャラが世界に羽ばたきますように!』とグローバルだけどクラゲにしてはまともな願い事を書いた私に対し、笠松は『珍獣征服‼』なんていう、ちょっと意味の分からない願い事を書いたりもしていて。