……っぽい。
うおぃぃぃっ!なんだよコイツら!
超フレンドリーになってんじゃねーかよっ!
今カノと元カノが同じ空間にいたら、なんとなく牽制し合ったり、それとなーく“私の彼氏よ”アピールとかするんじゃないの!?
そういう感じ皆無ですか!?
やだもう俺、地底に住みたい……。
「まあまあ、ジュンノ……いや、ここはあえての準ちゃん。そんなに落ち込まないでよ」
がっくりと肩を落としてうなだれていると、何やら愉しげな声と共にぽむぽむと肩を叩かれる。
虚ろな目で顔を向けると、やはり愉悦の表情を隠すことなく顔面に晒け出しながらこちらをニマニマと見ていて、もはや千晶もキャラが崩壊した様子が図らずしも窺い知れてしまった。
「橘さん、どんな話でも一生懸命聞いて、一生懸命リアクションして、あんたのこと全部知ろうとしてたんだから。恥ずかしい昔話を聞いても橘さんの気持ちは一つも揺らがないんだよ、ジュンノも覚悟決めて行動起こしなね?」
「なんだよ、行動って……」
「そんなの決まってるでしょ、プロポーズよ」
「んなバカな……」
なんかもう、千晶がただの、世話好きでお節介焼きのオバサンにしか見えないんだけど。
先輩の影響なんだろうな、この著しい崩壊具合。
……明らかに悪影響である。