……っぽい。
「笠松より年下か、せめて同い年だったらよかったのになぁ、私。ちゃんと恋人らしく見えないなんて、笠松に申し訳ないよ……」
「なんだ、ずーっと元気がないと思ってたら、そんなことで落ち込んでたんですか? 何それ、超可愛い! あのね、歳を取ったら4歳差なんてちっぽけなモンになるんです、今だけを見ていないで老後を考えてください」
「ぶー!」
ケラケラとからかうように笑って2つ連なったレアなさくらんぼを両方口に入れた笠松に、ぶっくりと頬を膨らませて抗議する。
人の気も知らないで、まったくもう。
ていうか私にもくれ、さくらんぼ!
「あ、欲しいんだ?」
すると、さくらんぼを物欲しげに眺めすぎていたのだろうか、笠松がニヤリと意地悪く口角を上げてガラスの器から一粒を口に放り、自分の口元をツンツンと指さす。
食べたかったら口移しとか!
なんてドSなんだ笠松は!そしてエロい!
さくらんぼの果汁と唾液を滴らせ、小さな種を弄ぶようにお互いの舌で転がし合いながら深く濃厚なキスをする想像をしただけで、なんだかもう子宮の奥がジンジンしてきてしまう。
そのあとは絶対に私が食べられるのだ。
晩ご飯もまだ作りかけだというのに、待てができない笠松の狂犬ぶりによって、私はいつものように骨の髄までしゃぶりつくされる。