……っぽい。
 
私が準備している間、笠松もバスタオルや着替えを用意してくれていたので、それをありがたく受け取り、シャワー室のドアを開けた。

今日……いや、もう昨日か、は金曜日で、幸いにも土曜日曜と2日休みが入る。

気持ちも、泣き晴らしてブサイク度が増した顔も、リセットするにはちょうどいい。

真人の浮気を発見したのが金曜日だった、それがせめてもの救いだった、と自分を無理やりに納得させ、熱いシャワーを頭から浴びた。


けれど、たっぷりシャワーを浴び、すっきりしたところで、更なる難問が待ち構えていた。

パンツ問題勃発、である。

化粧品類は調達できてもパンツやブラは調達できなかったことを、『新品ですから履いてください』というメモとともに一枚のボクサーパンツを発見したとき、奇しくも思い出したのだ。


「いや、新品なら履けるとか、そういう問題でもないよね、これ」


なんとなく摘み上げてしまいながら、確かに新品の匂いがする黒のボクサーパンツを、どうしてもしげしげと眺めてしまう。

笠松は細身なので、おそらくサイズはM。

だから、女の私が履いても特に不都合があるというわけでもないとは思う。
 
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