……っぽい。
「てか、うまっ!これ!」
「ならよかった。先輩、ほんと美味しそうに食べるから、作り甲斐があります。じゃあ、晩ご飯はどうしましょ? リクエストあります?」
「そうだなあ、ピザとか? 私、美味しいお店知ってるし……って、ちっがーうっ!!」
涼しい顔でコーヒーを啜る笠松とは対照的に、私はフレンチトーストのフォークとナイフを乱暴にお皿に置くと、ノリツッコミの恥ずかしさも相まって、盛大に声を荒げた。
笠松しか頼れる相手がいないのは分かっているけれど、そこは最後まで足掻きたいというのが人間の心理というものではないだろうか。
というか、今笠松はサラリと晩ご飯の話題を持ち出したけれど、そもそも笠松は私と同居して何かメリットがあるのだろうか?
まさか体目当てではあるまいし、他にどういう理由で私以上に同居に積極的なのだろう。
「あ、同居の理由、探られてる」
すると奴が図星を指してきやがった。
おまけに、よっぽど素直に顔に出ていたのが面白かったのか、おかしそうに笑ってそんな私の顔を無遠慮に眺めてきやがる。
「な、何か反論でも!?」
「いえ、やっぱり話がうますぎると思いますよねって思っただけです。ていうか、この部屋、どう思います?」