……っぽい。
ただ、それに関しても、俺にとってはコンプレックスである体型のことを言われていたので、俺ほどの適任者はいないと何度しつこく説得されても、微妙な気持ちにしかならなかった。
いいさ、課長は。
男の平均身長よりずっと背が高いし、どこで鍛えているのか分からないがスーツの下はプチマッチョらしく、それだけで大崎ちゃんのハートを鷲づかんでまるっきり離さない。
対する俺は、テクニックは仕込まれているものの、脱いでも大して見栄えのするような体ではないし、元々が細身でMサイズだから、中身もナヨナヨしたふうに見られがちだ。
要は、先輩のハートをがっちり掴んで離さないためには、課長みたいに秀でたところがない俺には弱さを見せるわけにはいかなかったのだ。
先輩が大事だから。
これからもずっと守っていきたいから。
ほかの人にはフンと鼻で笑って一蹴されるようなコンプレックスや仕事の悩みでも、俺にとっては初めて本気で自分から好きになった先輩に幻滅されてしまうかどうかの瀬戸際。
乱暴に抱いてしまいはしたけど、けして心の中にある怯えや恐怖や、不安な気持ちを口に出して言うことはできなかった。
3ヶ月。
たった100日弱の辛抱。
そう思って、精神的にも肉体的にもハードなキャンペーンに日々猛然と勤しんでいた。