……っぽい。
それからしばらく、先輩はうーうーと迷っていたが、とうとう覚悟を決めたらしく、さらに目をうるうるさせてじっと俺の目を見つめると、ほんの一瞬、唇を合わせる。
すぐにさっと顔を離した先輩はやっぱりご機嫌斜めな様子で、そっぽを向き、ツンと唇を尖らせ、ぼそぼそと「……したよ」と言う。
「よくできました。じゃあ、俺からのお返しです。俺も先輩のこと、どうやら本気で好き……っぽいんです。だから結婚しましようね」
「真似とか!」
思った通り即座に文句を言ってくる先輩を黙らせるため、ふがふが言うその口を強引に塞ぐ。
いくらしてもし足りないが、あんまり長くしていると自分が入院していることをウッカリ忘れてしまいそうになるから、キリのいいところでやめておくことにしようと思う。
先輩が言った通り、早く元気になって、またキャンペーンに戻って、あと半分頑張って帰ったら、そのときにハッピーなエッチをすればいい。
「先輩、愛してます」
「……同じくです」
それから俺たちは、ベッドサイドに並んで腰掛け、手を握り合いながら、ゆっくりと夜が明けていく仙台の街並みを2人寄り添って眺めた。