……っぽい。
「先輩、ナマケラゲの新しい仲間はまだ発売しないんですかって一般のお客さまから問い合わせの電話を頂いているんですけど」
「網持った飼育員が仲間になりますとでも言っておいてもらえたら助かるー!」
「あ、それ、絶対笠松君だ」
「……う」
大崎ちゃんにクスクス笑われたり。
といった具合に、当初の笠松の心配をよそにナマケラゲは記録的大ヒットをしており、ファンシーグッズの枠を飛び越え、ゲームにさせてほしいと有名なゲーム制作会社から声をかけて頂いたり、連日テレビや雑誌の取材が各地で行われていたり、今みたいに一般の消費者の方から新キャラを望む声を直接頂いたりと、まあ、猫の手も借りたいくらいに忙しい。
倒れた笠松に会いに仙台まですっ飛んでいった次の日、絶対みんなに何か言われる……とビクビクしながら遅い出勤をした私を待っていたのは、課の面々からの手荒い祝福だった。
丸めた紙をマイク代わりにインタビュー。
ニヤニヤ、ニマニマの無言の微笑み。
アラフォー手前の独身男からの「結婚はいつなんだ? 早くしないと三十路になっちまうぞ」とのあからさまなプレッシャー等々。
皆さんそれぞれ、祝福が手荒い。