……っぽい。
「気づいたようですね、先輩」
なんとなく結論に行き着いたとき、見計らったようなタイミングで声をかけられる。
笠松の洞察力がすごいのか、単に私が思ったことが顔に出やすいタイプなのか……。
認めたくはないけれど、おそらく後者だろうそれによって、私には適当に誤魔化すという手段が最初から絶たれているのがわりと悔しい。
とはいえ、言わなければ言わなかったで、笠松は変に気を使われていると思うかもしれないのが、私もそうだから感覚で分かる。
「ああ、ええと……もしかして、笠松も彼女と別れたばっか、とかだったり?」
ということで、かなり気まずいながらも言ってみると、笠松は軽く目を細めた。
ほかに何か言うだろうかと少し待ってみても笠松からはこれといった反応はなく、特に否定しないところを見ると、どうやら『正解です』と言う代わりのアイコンタクトだったらしい。
しかし、だからといって、同居にウェルカムすぎる理由には少し弱い気もする。
となれば……はっ!
「先輩、頭冴えてますね。そうです、だから家賃と光熱費の折半、したいんです」
「なるほど、家賃もそれなりだろうしね……」
残る理由はこれしかない。