……っぽい。
 
いや、当たり前だけど。

でもでも、いくらお気楽クラゲの私でも、緊張するものは緊張するのだ、人並みに。

笠松がもう少しだけキャンペーンから帰ってこなきゃいいのにと7割くらい本気で思ってしまうあたり、本当に情けない限りである。





とはいえ。

笠松が帰ってくる当日、土曜日。


「い、いよいよ今日だ……」


カレンダーにぐるぐると印を付けて指折り数えて待ち続け、ホールケーキにシャンパン、ワインや笠松の好物ばかりを並べたテーブル。

お誕生日会さながらに、カラフルなバルーン、紙で作った花や、折り紙の輪っかでポップに飾り付けた部屋、そして休日なのにきっちりメイクをし、精一杯着飾った服装、等々。

このハリキリすぎて逆に騒がしくなってしまった部屋や自分を見て真っ先に思うのは--。


「私、笠松大好きだ!」


この一言に尽きる。

3ヵ月なんてあっという間、100日弱だと思っていたけれど、笠松に会えないことがこんなにも辛く寂しく、心細いものだったなんて思ってもみなくて、実は笠松がキャンペーンに行ってたった2日で音を上げそうになってしまった。

恥ずかしい……。
 
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