……っぽい。
でもそれも、クラゲ並みの脳みそしか詰まっていないのに変な伏線を張っていった笠松がいけないんだと、今はそう思うことにしている。
完全に責任転嫁、自分のバカさ加減を棚上げにするのもいいところだけれど、でもあの時は笠松のことが寝ても覚めても心配で、すぐに会えない距離がもどかしかった。
ばかやろー、といつか言ってやりたい。
仙台でお互いの気持ちを確かめ合ってからは、それまでの心細さが嘘のようになくなり、ずっと疎かになっていた引っ越しの件について自分なりに満足のいく結果で終わることができた。
香久山さんにはまた家具をキープしてもらっておいて申し訳ないけれど、笠松と一緒に住むために家具を一から選び直すことにしたのだ。
不動産屋さんでも、2人暮らし用、あるいは家族が増えることを見越して広めの部屋に重点を置いてチラシやパンフレットを集めることにしたし、その……結婚雑誌なるものも、ちらっと買ってみたりもしている。
7割くらい帰ってきてほしくないと思っているわりにしっかり準備しちゃってるところとか!
我ながらツッコミどころ満載である。
とにかく。
結婚雑誌なんて読んでいると思われたら恥ずかしいので、とりあえずベッドの下に隠しておいて、笠松の帰りを今か今かと待ちわびる。