……っぽい。
 
笠松は基本的にオムライスやハンバーグ、カレーにシチュー、エビフライ、から揚げ等々といったお子様メニューが大好きで、特にから揚げ、ケチャップとソースものが好物である。

着替えてさっそく“いただきます”と手を合わせた笠松は、本当にお腹ペコペコだったらしく、あっという間に平らげていき、なんとその流れでケーキとシャンパンにも手を出した。


「ケーキも作ったの?」

「ううん、さすがに買ったよね」


切り分けたホールケーキと冷やしておいたシャンパンのグラスを笠松の前に置きながら、私はちょっと苦笑する。

頑張れば作れないこともないとは思う。

ただ、性格が出てるなあとは思うものの、きっかり分量を量って作るものってあんまり得意じゃなくて、お菓子系はなかなか敷居が高い。

まあいい、買ったほうが美味しいもの。

今度頑張って作ってみよう、まずは簡単そうなシュークリームとかがいいかしら、と考えていると、一口ケーキを食べた笠松が口を開く。


「んね、一つ聞きたいことがあるんだけど」

「ほい?」

「海月はいつ俺のこと好きになったの?」

「……うぇっ!?」


普通の会話の、普通のトーンで繰り出された奇想天外な質問に、私は思わずたじろぎ、フォークをお皿に落としてしまう。
 
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