……っぽい。
「海月には正攻法は通用しないからなあ。クイズなんか出したところで絶対当たるわけなかったんだよ。浮かれすぎてた俺がバカだった。ごめんごめん。だから結婚してくんない?」
「……」
こういう場合、どうリアクションを取ったら正解なのでしょうか、誰か教えてください。
遠回しにバカだって言われている感が尋常じゃなくて、なんかこう、釈然としないのですが。
「してよ、結婚」
「……、……………うん」
「やった!」
でも、どうやらすっかり笠松に転がされるのが板についているらしい私には、もう笠松のお嫁さんになるしか選択肢は残されていないらしい。
テーブルから身を乗り出し、満面の笑みで顔を近づけてくる笠松に目をつぶると、唇に軽くちゅっとキスが落とされ、それは次第に角度や深さを変えて何度も何度も繰り返される。
やがて唇を離した笠松は不敵に笑って言った。
「今夜はバラ風呂でしよっか?」
笠松の宣言通り、今夜は真っ赤なバラの花びらが無残にも浴槽に散りばめられ、その濃厚で贅沢すぎる香りが立ち込めるバスルーム内。
笠松の体温を感じながら、私はいつから笠松のことが好きなんだろうとずっと考えていた。