……っぽい。
そんな後輩男子であった笠松がこれからは旦那さまになるんだから、世の中は不思議なことがたくさんあるものなんだなぁ、と妙に感慨深いことを思ってしまう。
部屋がなくなる、まさかの同居、惚れた腫れたのすったもんだに、過呼吸、どこか様子がおかしい笠松等、本当にあり得ないことの連続で。
でも、その中で常に自然体な自分でいられたのは、笠松がいつも一緒にいてくれたから、どんなときも真正面から言葉をぶつけてこんな私に真剣に向き合ってくれたから。
「ありがとね」
笠松の頭を撫でながら、お礼を言ってみる。
相変わらずふわふわで羨ましい。
すると、くすぐったかったのか、瞼の下の目がキョロキョロと動いて、次第にゆっくりと瞼が開けられ、私の姿を捉えると。
「おはよ」
「おはよう、笠松」
眠気眼の笠松の、起きがけでまだたどたどしい感じが超絶可愛い「おはよ」が繰り出される。
当たり前のように“おいで”と腕を広げる笠松に笑ってぴったりと体を寄せ合うと、そこでふと思い出したように笠松が口を開いた。
「昨日の、いつから俺のことが好きか、なんだけど、なんとなく察しついた?」
「うん、たぶん電話したとき」
「お、一緒じゃん」