……っぽい。
嬉しそうに笑う笠松に微笑み、私は続ける。
「海月先輩!って一生懸命走ってきてくれた姿が目が覚めてからずーっと頭の中にあってね。きっとそこで気づかない間に恋してたんだと思うよ。笠松にSOS出してホントよかった」
まあ、お互いに鈍感だから、もしかしたら恋していることに気づけないまま同居が終わっていたのかもしれないし、それぞれに違う人を好きになっていたかもしれない。
それならそれで特に不都合もないわけだし、構わなかったんだろうけど、だからこそ、私に本物の恋を教えてくれた笠松が大切で、これから先もずっと支え合っていきたいと思う。
“好き”よりも、もっと大きくて温かく、どんな感情よりも無敵で最強の“愛おしい”という感情を教えてくれたのは、目の前の笠松だ。
そんなことを思っていると。
「いつから好きかって話はもういいとして、海月はいつ“愛してる”って言ってくれるの? 結局、一度も言われてない気がするんだけど」
「う……」
私の頭に顎を乗せ、愛おしそうに髪を撫でる笠松が、意地悪でありながら、けれどちょっと拗ねたような口調で催促してきた。
今度はそれかー!?
でも、仙台のときも、昨日のお風呂の中、その後のベッドでの2回戦のときも、恥ずかしくて言えなかったんだよなぁ、私……。