……っぽい。
 



それからしばらくの後--。


「い、一回しか言わないから心して聞いて」

「おお、言う気になった?」

「うん……そのー、愛してましゅ‼」

「え」


あ、いけない噛んでしまった。

なんだよちくしょう、決まらないなあ、もう。


「いいや、愛してるっぽいってことにするー」

「ぶはっ!だから海月、大好き!」


とまあ、こんな感じで私たちの同居生活はのちに結婚生活に移ることになるのだけれど。

それはまた、別の話で。


だって笠松が、何度でも何度でも私を恋に落としてくれるって言ったんだもの。

そのたびに、前より深く、奥まで。

要するに。


「ね、笠松、もっと私を恋に溺れさせて?」

「今のは“愛してる”に匹敵するわ」


まだまだ恋に落ち足りない……っぽい!


- END-
 
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