……っぽい。
「何言ってるんですか、このうさぎさんポストイット、俺の超新作じゃないっすか」
「知らんわ、そんなもん」
どこら辺が“超”なのかもさることながら、笠松の仕事内容なんて、私は知らない。
デスクは向かい合わせなものの、私は主に事務系仕事で、1日のほとんどをパソコン画面と睨めっこしながら受注管理をひたすらだ。
たまに外回りにも出るけれど、注文数が違うとか、違うものが納品されたとか、そういうクレーム処理的なことのために外回りに出ざるを得ないという感じで、正直楽しくない。
先週の金曜日もまさにその手の外回り。
笠松みたいにうさぎさんポストイットなる可愛いものを世に生み出す仕事とは種類が違う。
「知らんなんて言わないで、感想くらい言ってくださいよ。欲しくなります?」
「笠松が考えたものじゃなくて、パンツなんて書いてなかったら、欲しくなったかもね」
「書き心地を試しただけです」
「腹立つ」
ていうか、キョンシーやめろ。
パンツまみれのうさぎさんを額に貼ったまま、ほかの社員が出社してくるのを待つ気なんだろうか、目の前のキョンシーは……。
みんなビックリするよ、普通にさ。