……っぽい。
つき合ってみたら実はゲイだったり、やたらとお金にだらしなくて借金を肩代わりさせられそうになったり、家事にやたらと細かいネチネチ野郎とつき合っちゃったり、ネガティブすぎて私まで鬱っぽくなってしまったり……。
そういう恋愛遍歴を経て真人に出会ってしまったからか、彼の容姿もさることながら、真人がひどくまともな人に見えたのだ。
実際、女関係以外はまともで、しっかりした考えを持っていたし、仕事も真面目、真人のために高い買い物をさせられたこともない。
いつもご飯は割り勘だったし、プレゼントを貰ったこともなかったけれど、前につき合ってきたどの人よりも、やっぱり“まとも”だった。
だから真人は、女性に貢がせたり、結婚の2文字をちらつかせて貯金を騙し取ろうなんて策を練るような、そこまで最低の男じゃないはず。
そこまでは最低じゃないと思いたい。
だってこれじゃあ、まるで私の全部を否定されているみたいじゃないか、今までの人生全部、否定されているみたいじゃない。
そんなのあんまりだ……。