……っぽい。
◆3◆

溺愛されてなんぼでしょう!

 
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絶対服従だの、パンツ脅しだのと、笠松から脅迫まがいの提案を受けて始まった同居は、かれこれ1ヶ月が経とうとしていた。

月曜から金曜まではがっつり働き、土日は私の部屋に2人で通い、処分なり、リサイクルに出すなりの物の振り分けも、もうお手のもの。

「子供の横でウィンウィンできないから」と、同期で元同じ課の仲間であったしほりから無理やり押しつけられた大人の玩具を笠松に発見され、残念な人を見るような目で見つめられても、恥じらう気持ちは露ほどもない。

むしろ、笠松が何かを納得するように「うん」と気合じみた声を発していたほうが謎である。


そんな5月の、とある週末。

先週末に発見された例の玩具の保管場所を考えていると、ふと思い出したのだ。

そういえば、しほり、もうすぐ産休から戻ってくる頃じゃなかったかなあ……と。


しほり--辻岡しほりは、私と同じ“鶴亀堂の歴史を世に広める課”略して『鶴亀課』の同期であり、気の置けない友人だ。

旧姓は近江といい、私の恋愛遍歴を豪快に笑って一蹴してくれる頼もしさと玩具好きの二面性を持つ、ちょっとした変人でもある。
 
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