……っぽい。
「先輩の恋愛観、悲惨でしょ? 俺も矯正してあげようと頑張っちゃいますけど、味方は多いに越したことはありません。成功したしほりさんから刺激を受ければ、何か変わるものがあるのかも、と思ったりするワケです」
「はあ……」
生返事をしながら、ご飯を飲み込む。
ていうか、悲惨とか成功とか、失敗続きの私の前で、なんてひどい言い様だよ笠松準之助。
自分から好きになった相手が、たまたま全員ダメ男だったからって、そんな言い方……。
「じゃあ、笠松はどんな矯正してくれんの? 身をもって矯正してもらってるなーって感じたこと、あんまりないんだけど」
ちょっとイヤミかなと思いつつも、笠松の言い方が酷かったため大人げなく反論してしまう。
部屋に住まわせてもらって、こうして片付けまで毎週毎週手伝ってもらって、いよいよ家具の処分になったら、家具屋さんに勤めている友人から処分や新しい家具の購入の手伝いをしてもらえるよう、交渉もしてもらって。
そうして、いろいろと手をかけてもらっているわけだけれど、恋愛面において矯正してもらっているのかといえば、私にはイマイチだ。
が。
「分からんのですか!?」
「分からんから聞いてるのですが」
「俺、もう嫌だ……」