……っぽい。
「笠松? 笠松やっぱ変だよね? 最近キャラ崩壊しつつあるし、あれなの? 私に好意を寄せる演技が思いのほか疲れるとか?」
なんだか質問責めにしている感じで、私自身、あんまりいい気はしないけれど、だって笠松が変なのだから仕方がないじゃないか。
それに、いつまでも床ドンされていると、こぼれたお茶の片付けだってできないし、雑巾ないからトイレットペーパーで全部拭き取るしかないんだよ、買い置きあったっけ?
私の意識は、もはやトイレットペーパーだ。
笠松が丁寧に涙を拭ってくれたから、たぶんすぐに泣いたとき特有の瞼のダルさは落ち着く。
やだ私ったら、オバハンなのに号泣って。
笠松はやけに面倒見がよくて優しいから、つい口車に乗せられてしまいそうになるけれど、こんな私を溺愛してくれる人なんて、きっと地球上にはいないのだろうと思う。
もしそんな稀有な人がいたとしても、直接ガッ!とバッ!と来てもらわにゃ分からんのだ。
それこそ、むさぼり食うほど激しく抱かれるとか、それくらいじゃないと分からない。
……なんだかそれも悲しいけれど。
「うん、そうですよね、それでこそ先輩なんですよ、全く期待を裏切らない。さすがクラゲ」