……っぽい。
そうして私たちは、床ドンなど最初からなかったようにその日の片付けをキリのいいところで切り上げ、夕方になると笠松は私を笠松の部屋まで送り届け、その足で香久山さんと飲みに出かけていったのだった。
……背中にやたらと哀愁を漂わせて。
*
夜。
日付が変わろうかという頃になって、笠松は香久山さんに介抱されながら帰ってきた。
よっぽど愚痴りたいことでもあったのだろう、ぐでんぐでんに酔っ払い、意味不明な宇宙語っぽい言語を話し、そして--。
「かかかか笠松!?」
「なんだよコイツ、ゲロ吐きやがった!まっつん汚ねーって!! 俺の服があぁ~~!!」
私の顔を見るなり、苦しそうに顔を歪めた笠松は、胃の内容物を玄関先に撒き散らした。
笠松も自分の服を汚してしまったけれど、一番のとばっちりを食ったのは香久山さんである。
笠松の腕を自身の首に回し、反対の手で脇腹を抱え、半ば引きずるようにして連れ帰ってきてくれた香久山さんは、笠松と密着していた。
それなのに笠松がなぜか香久山さんのほうを向いてオエオエしてしまったので、香久山さんは胸から下が大変なことになってしまったのだ。