私が恋を知った人
まぁ、そして今に至るというわけだ。
そして、またまた残念なことに、どうやらあの女の性格を私も引き継いでしまったようだ。私だって初めは、自分に幸せを引き止めておこうと努力した。
だがあの女は、私がクラス一番の成績をとったときも、絵で受賞したときも、ピアノコンクールで優勝したときも、「忙しいから」で済ませてしまった。
そのせいか私の世界もだんだんと、色の無いものになっていってしまった。何をしてもつまらない、何をしても軽蔑してみてしまう。ようするに、可愛くない子に育っていったのだ。

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