LUCIDO
2
コツコツ、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
薄暗くなってきた見知らぬ道に、私のヒールの音だけが響く。
あれ。住所はここのはずなのに。
それらしき建物が見当たらない。
まるで不審者の如くウロウロする私に。
「おい。お前不審者?」
???振り向くと黒髪のもさっとした、背のたかーい男がコンビニの袋をぶらさげてぬぼっと立っていた。
なんかムカつくけど、この人に聞けばいいのか。
「すいません。道に迷っちゃって。ここ!ここってどこか分かりますか?」
地図を見せながら尋ねる私に男は頭をひねった。
そして、次の瞬間、ニヤリと口角を上げた。
「そうか。お前か。」