気になるあの子は高校生 ~奪われた恋心~
一応来なかったときのことも考えてはいる。
急ではあるが、別の子にお願いすることにしたのだ。
入試2番目の成績ってわけではないけれど、いきなり頼んでも度胸がありそうな目立ちたい子を選んだつもり。
つまりはギャルになりそうな子。
今はまだ黒髪にゆるめのパーマを当てているだけで制服は着くずしてはいない。
こそっと頼むと初めは渋っていたものの「紙に書かれていることを読むだけだから」と言うと、本来それを読むのは男子だったのか、と聞かれた。
そうだ、と答えると少し意地悪そうな顔を覗かせた。
「じゃ、あたしが代わりに読むはめになったら、その男子には何かしてもらお~」と、それはそれは楽しげに笑っていた。
かといってどうすることもできない。
元は来ない彼が悪いのだ。
一応…いじめには発展しないように努めるつもりではあるけど。
取り敢えず、彼が来るならよし。
しかし、来ないなら彼女にお願いすることになる。
「どの子がイケてる」などと不謹慎な発言をしている場合ではないのだ。