気になるあの子は高校生 ~奪われた恋心~
「…-これで大体の説明は終わりです。では次に自己紹介をしていってもらいます。では出席番号1番から」
みんな一様に「え~」と不満げな声を上げるが、その顔は嬉しそうだ。
少し恥ずかしさもあるが、みんなに自分を知って欲しい…だけど上手く話せるか緊張する、といった特有の雰囲気。
恥ずかしそうに下を向いて話す子、自己アピールの強い元気な子など、自己紹介は初々しくもあるし面白い。
それだけではない。
-これでだいたいどんな子かわかるし、よく見ておかなくちゃ。
自己紹介は私にとっても大事なのだ。
出席簿を見ながら名前を呼び、顔と名前を合わせて覚える。
どんな感じの子なのか、簡単な印象をメモに書き留める。
他の先生方はどうするのかは知らないが、私はこうすることで早く覚えられるのだ。
自己紹介は滞ることなく順番に進んでいく。
半分くらいまでいったとき、突然ガラッと教室の扉が開いた。