奥手少女
面倒臭い開会式が終わり、紅組の生徒席で樹里と一緒に座っていた。樹里は白組のくせに紅組にいる。
「次はプログラム7番。3年生女子による騎馬戦です。」
…来た。川藤の出番だ。
「凪、唯ちゃん探さねーと!」
「そんなの当たり前だろ。」
何故かこいつは俺の好きなやつを
知っている。その理由を聞くと
お前が唯ちゃんを好きになった時から気付いてた。だと。
鈍感そうなのに以外と鋭いんだよな。
樹里って。
「あ!俺みつけちった♪」
「はぁ!?どこだよ!」
「遠くの列から4番目!」
…見つけた。セミロングのふわふわで綺麗なこげ茶色の髪の毛をポニーテールにした、俺の好きな子が。
いつも髪の毛を下ろしているから
今日は色っぽく見える。
「綺麗だ…」
「凪、何かいったか?」
ピストルの音も樹里の声も聞こえなかった。スローモーションで川藤が動く。
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