奥手少女
心配した俺が馬鹿だった。
川藤は長い脚を巧みに使い、走っている。少し緊張しているからか今にでも
コケそうだ。
「川藤!俺に任せろ!俺が1番になってやる!」
気付いた時にはもう俺は声を出していた。照れ隠しに笑いながらグーのポーズをした。すると、川藤も満面の笑みで
俺にグーのポーズを返してくれた。
…やべぇ。可愛すぎだろ。
俺が見惚れている間に川藤は3番の白組の子を抜かした。
川藤から引き継いだバトンを右手に
握りしめ俺は全速力で飛び出した。
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