奥手少女
沙耶がぱぁっと顔を明るくしてやったー!とか叫んでる。
「運動会、がんばろうね!沙耶!」
「うん!」
くるっと振り返り満面の笑みでそう答えてくれた。

それから1週間経ち、運動会当日になった。私の学校は紅白だけで、私は紅組。沙耶も紅組。元彼は…白組だった。
なんで知ってるのか?
それは、私達が別れたことを知らない沙耶が微笑みながら言ってくれたから。
そんな笑顔で言われると私も別れたなんて言えないから…とりあえず
「紅組が勝つ」
と、言った。

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