先輩でも妬くんです。


「きゃー!八代くんかっこいい!」


「本物の王子様だ〜〜!」



外に出るとたくさん騒がれた。

……これのどこがいいのやら。
頭には冠。背中にはマント。青いジャケットに白いズボン。

…白タイツじゃなかっただけマシか。



気をとりなおして歩こうとすると、向こうからも歓声が上がっているのに気づいた。


「わーー!何あれ!」

「女装?!」

「え〜、すごいね。」



『女装』…ということは松山くんだろう。たぶん俺以上に恥ずかしい格好だと思う。男にとっては中々堪える衣装だしな…。


ちらっ とその歓声が上がる方向に目をやる。


「…えっ」


俺は目を疑った。

なぜなら、そこには身長は逆だけど紛れもなく『カップル』が存在していたからだ。

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