先輩でも妬くんです。
「失礼しまーす。…あ、先輩。
ってなんでその格好……」
驚いたように俺を見る春日。
実は今、さっき悪ふざけで着せられた『王子様』の仮装をしているところだったのだ。
春日も仮装のままだった。
…『王子様』と『男子高校生』。
なんとも言えないツーショットだ。
「追いかけられませんでした?」
「…だから逃げてきたんだよ。」
クスクス笑う春日にため息まじりで答える俺。
春日も…、撮られたんだろうな。
男の俺から見てもかっこいいし。
春日は優しいから、撮影も快くOKしたんだろう。
でも今はそんなこと考えてられるほど、俺には余裕がない。
「お疲れさまでした、先輩。」
「うん。春日もね。
ねぇ…きて?」