先輩でも妬くんです。


だから誤魔化して春日の小さな手を握った。

…こんな小さいのに、何でこんなあったかいんだろう。

力を入れれば折れてしまいそうな手は、俺よりずっとあったかい。



「私も…寂しいですよ。」



…え?


春日から「寂しい」と聞くことはあまりないので少し驚いた。


「ごめん…寂しいよな。」


……いやごめん、俺、今嬉しい。
「寂しい」って聞けて、嬉しい。
…ほんと、掘れば掘るほど最低な彼氏だなぁ、俺。



でも春日は『少女漫画の女の子じゃない』みたいなので、不安にならないらしい。


相変わらず強いな、と思う反面、もう少しわがまま言ってほしいなって気持ちが交差して、自分でもよくわからなくなった。


< 8 / 35 >

この作品をシェア

pagetop