わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
「……………………明美は何を見ていたの?」
「………。知ってるくせに。
どうせあんたが見せてたんでしょ?あの夢…」
ボソッと問い掛けてきた佐久間に、私は嘲笑して答えた。
なんでこんなことになったのかわからないと言った私に、佐久間をいじめていたことを思い出させようとしたんだろう。
実際は忘れてなんかいなかったけど。
「違う…………。
私が見せたのはいじめのことだけ。
だけど明美はそれよりも遥かに長く眠ってた…………。
だから明美、明美は何を見たの?
どうして…痛くないの?」
その問いに、ハッとした。
私に力を…って、そう言う意味だったのね。
痛みを感じなくなる…って。
それだけでも好都合だ。
左手には生徒玄関の鍵がある。
これを持って生徒玄関まで走ればいい。
痛みを感じないなら、捕まらない限り走れる…!