わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜



「…………佐久間。
最後に聞いておくわ。

どうして最初に会ったとき、私を殺さなかったの?
何故…私を何回も助けたの?」


ずっと聞きたかったこと。


私は走り出そうとしているのを悟られないように、平然を装って聞いてみた。


佐久間の瞳はなんだか私の全てを見透かしているようで怖かったけど、そんなこともなかったようで佐久間は口を開いた。


「……………私は明美が一番嫌い」

「…………………」

「私をターゲットにしようって言ったの…明美なんでしょ?
知ってるよ……。
だから、これは全て明美のせい。
私をいじめた明美のせい。
だから―――」

「……………………だから何よ」


一旦言葉を区切った佐久間にイラついて、先を急かすように問い掛ける。


その間も、すぐに走り出せるように準備をしていた。


「―――明美は最後に殺すの。
苦しみと絶望、恐怖をたくさん与えたあと…私が殺す。

簡単に死んじゃったら面白くないでしょ?
私が明美を助けてきたのは、そういう理由」

「………………………」

「あぁ、ちなみにここあを殺したのは私じゃないよ。
明美も見たよね、保健室の。
あの時にここあは捕まったの」

「………は?
私、そのあとここあと話したし…」

「あれは違う。あれは私。
ねぇ、明美ちゃん?」


ぶわっと佐久間の姿が歪んだと思ったら、目の前にはここあがいる。


ううん、ここあの形をした佐久間が……。


声も、口調もここあだった。


こんなの、見分けがつくわけない。



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