わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜




「そのあと智哉が暴走するのは予想できた。
だから、ここあに図書室の鍵を持たせたの……。
私の作戦は完璧でしょ?
智哉も明美も、思い通りに動いた」


ふふっと佐久間が笑う。


まさか、全て佐久間の手のひらで転がされていただけだったなんて…。


でも、今は違うよね?


だってさっきの佐久間は怖い顔をしていた。


私が皆の夢を見て、力を貰ったのは予想外だったでしょ?


「広樹が明美に告白したときは、しめたと思ってね…
油断して舞い上がった所を地面に引きずり落とす。
いや…それ以上にもっともっと…地獄まで引きずり込むの。

明美、本当に絶望してたでしょ?
あんなに取り乱して、面白かったなぁ」


くすくすと思いだし笑いをする佐久間。


最初からそのつもりでいたのね……。


謝ろうとか、考えた私がバカだったわ。




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