わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜



「明美………俺…………」

「うるさいっっっ!!!
お前は広樹じゃないっ!!
私は騙されたりなんかしない!!」


目の前の広樹の形をしたものの横を、私は叫びながら走り抜けた。


一言も聞きたくない。


聞いてたまるか。


そんな思いが、無意識に私をそうさせていた。


耳を塞ぎながらたどり着いた生徒玄関。


握り締めた鍵を鍵穴にあてがうけど、利き手でない左手しか使えないことと手が震えて上手くささらない。


「もうっ…………なんなのよ、本当…!

早く…ささりなさいっ!!!」


力任せに鍵を押し込む。


よかった。ささった!!


鍵を回すと、ガチャリと良い音がした。


こんなに良い音を聞いたのは、こんなことになってから初めてかもしれない。


これで鍵は開いた。


やっと出れる…!!





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