わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
「あら、泣いちゃった?
ごめんね、でも悪いのは明美だよ。
私をいじめたりするから」
いきなり鋭い目になった佐久間が、私を睨む。
それから、笑っていない目でにっこりと微笑んだ。
「私は自殺したんだけど。
どうやって死んだかわかる?」
「…………………」
もう、答える気力もない。
黙って座っていると、ぐいっと上を向かされた。
「答えてよ。
私はどんな死にかたをしたと思う?」
「……………………」
それでも黙っていると、捕まれていた髪の毛を横に引っ張られて、倒れ込んでしまった。
もういい、と言わんばかりの力だ。
「…………私はね。
自分で自分の喉を刺したんだよ。
こーんなに鋭いナイフで刺したんだけど………」
手でこれくらい、と示して見せた佐久間。
それからぶんっと手を振ると、いつの間にか佐久間の手には包丁が握られていた。
一瞬のうちに何をしたんだろう?
「ここにはナイフなんてないから、包丁でいっか。
ナイフより切れ味悪くて死ににくかったらごめんねっ」