わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
「あぁ、まだ死なないでよ、明美。
自分で刺したとは言ったけど、それで死んだとは言ってないでしょ?
私はね、それから飛び降りたの。
マンションの屋上から真下に、一直線。
さ、屋上にいこう?
明美はよくわからないけど力を持ってるから死なないでしょ?
ほら、早くあるいて!」
ぐい、と手を引かれ立ち上がる。
やめて、押さないで。
私を揺らさないで。
揺らす度に刺さったままの包丁が動いて痛いから………。
ぐいぐいと押される勢いに負けて、私はバランスを崩す。
床に当たったせいでまた、包丁が深く刺さった。
痛い。
痛いなぁ。
こんなことなら早く死にたい………。
死ぬことさえ出来ないなんて………!