わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜


「んで、広樹と智哉はどこいってたの?」


ホームルームから1限目が始まるまでの時間は短いから、席を立って何処かへ行く人は少ない。


「あ?トイレだよトイレ」

「えっ、学校に来てすぐトイレ?
早くない?広樹じいさんだー!」

「はっ!?なんで俺だけなんだよ!
言うなら智哉もだろーが!」

「広樹、人を巻き込むのは良くないわよ」

「そうそう、後俺は誰かさんがついてこいって言うからついてっただけだしね」

「智哉てめぇ…!」

「ほんとのことだよ?」


智哉がにっこり笑い、真理と私が爆笑する。


いつもと変わらない風景。


「………どうして」

「は?」


いつの間にか私たちの席の前に立っていた…恐らくクラスメイトと思われる女子が、俯きながら呟く。


制服の襟には、キラリと光るピンバッジ。
……学級委員の証。


「どうしてあなたたちは笑っていられるの!?」


委員長が叫ぶ。

…いつもは何も言わないくせに。


巻き込まれるのが嫌で縮こまってるやつが、今更なに?


あぁ、鬱陶しい。


「えーと、ピンバッジしてるってことは学級委員さんかな?」

「学級委員?あぁ、正義の味方?」

「…にしては遅いよね。
もう佐久間は死んだよ」


真理の言葉を先頭に、男子二人が委員長を小馬鹿にする。


これは、次の相手が決まったかな?


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