わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
「とりあえずは真理を探して、それから職員室だね。
また保健室から何か出ないといいんだけど」
「ちょ、智哉それはシャレになんないから言うな!」
「ははーん、広樹くん怖いんだぁ」
「ったりまえだろ死ぬぞあれ!」
「あれ?考えてた反応と違うなぁ」
幽霊を見てないであろうここあはともかく、智哉と広樹も合流したことからか軽口を叩けるくらいは安堵しているらしい。
真理は…泣いてるだろうなぁ。
「あ~、そういえばここあ、真理ちゃんの居場所知ってるかも~」
「え、ほんと?」
「うんー、なんかさっきよくわかんないけど逃げてたでしょ?
その時、真理ちゃんとは3階で別れたの。
だから、3階にいるんじゃないかなぁ」
「ナイス、ここあ!
よし、そうとわかったらさっさと行こうぜ!」
広樹が、カチリと懐中電灯の灯りをつけた。
それにならって、全員がスイッチを押す。
「ん~…ここあの、電池切れちゃったみたーい」
唯一、カチカチと何回もスイッチを押していたここあが、ため息をつく。
電池切れって、こんなときに限って起こるんだよなぁ。
ひとつくらい懐中電灯がなくなっても実質あまり変化はないので、そのまま移動する。
このまま無事に真理と合流して、職員室までいって、それで終わり………なんて。
私は、楽観的に考えすぎていた。
私はさっきあんな目にあっていたのに。
膨らんだ安心感が仇になるなんて、この時はまだ考えてなかったんだ。