わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜
「おいおい…勘弁してくれよ…」
「……………」
さっきまでの明るい空気から一転、全員が言葉を失う。
このままここにいて動かなければ、また誰かがいなくなってしまうような気がして…私は、重い口を開いた。
「……だ、大丈夫よ…ここあは生きてる…
きっと、私達を驚かせようとしてるだけだよ……
もし違っても、私たちがここあを助けるんでしょ…で、無事に帰るの…!
そうでしょ…!」
無理矢理、笑顔をつくる。
少しでも場を明るくしないと…心が壊れてしまいそうで。
「…………あぁ、そうだよな…
俺たちが……」
「………ここでじっとしていてもなにも始まらない…そうだよね。
うん、ありがとう、明美。
俺はここあを助ける…絶対に!」
「智哉だけじゃないよ。私たち…全員でここから出るんだからね」
私の言葉に二人が頷く。
良かった…。
少し、明るさを取り戻せたみたい。
智哉はきっとここあが心配で耐えきれないんだろう、一人ででもここあを探すと言い張った。
正直智哉までいなくならないか心配だったけど…真理を放置するわけにもいかないので、智哉の案を了承した。
これで、私と広樹はまた二人行動だ。
「…………………」
3階の教室を1つずつ開けていく。
お互いに無言だ。
ここは2年生の教室がある階だから、昼間で見飽きるほど見ているはずなのに…全然知らない場所に放り出された気分になる。